シンガポール基本情報
シンガポールってどんな国?
東南アジアの小さな島国。だけど、世界が注目する都市国家。
「小さいけど、知るほど面白い。」
シンガポールは、東南アジアの南端にある島国と都市が一体になった国です。2024年6月時点での人口は約604万人、都市の中にぎゅっと人、文化、歴史が詰まっています。
面積は東京23区ほどで、英語・中国語・マレー語・タミル語の4つの公用語を持ち、多民族・多宗教が共存する社会です。治安もよく、洗練された都市のなかにも温かみが感じられます。
天然資源に乏しいこの国は、「人と教育こそが最大の資源」という信念のもと、国家レベルで教育や人材育成に力を注いでいます。その結果、世界とつながる金融・貿易・テクノロジーのハブとなり、今も未来を意識した政策を進め続けています。
訪れると、街の清潔さや公共交通の快適さに驚く一方で、「どうしてこんなに小さな国が世界の注目を浴びるのか?」という問いが自然に生まれてきます。


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人口:約 6 0 4 万人(2024年6月)
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面積:約 7 35 km²(東京23区相当)
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公用語:英語・中国語・マレー語・タミル語
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気候:年間平均25〜31℃、熱帯気候
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時差:日本より−1時間(日本が12時⇒シンガポールは11時)
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地理:主島+63の小島。北にマレーシア、南にインドネシア

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名目GDP:約 S$7,700億(約78兆円)
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一人当たりGDP:約 US$94,000(約1,030万円)
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主な産業:サービス業(金融・貿易・IT)・製造業(電子・医薬・石油化学)
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労働人口:約 363万人/企業数:約 30万社
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貿易相手国:中国・マレーシア・米国・台湾・EU・香港
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輸出の主力品目:電子部品・石油製品・機械装置

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民族構成:中華系76%、マレー系15%、インド系7.5%、その他1.5%
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家庭での主言語:英語が最多(約48%)
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5〜14歳の家庭内言語:60〜80%が英語を使用(若年層で英語化が顕著)
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宗教構成:仏教31%、キリスト教19%、イスラム教16%、ヒンドゥー教5%、無宗教20%
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無宗教の傾向:若年層の約4人に1人が無宗教(世代差が顕著)

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政治体制は立憲共和制:大統領を元首とし、実際の行政権は首相を中心とする内閣が担う
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与党は人民行動党(PAP):独立以来、国政を一貫して担う与党で、現在も安定多数を確保
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首相はローレンス・ウォン氏:2024年5月にリー・シェンロン前首相から引き継ぎ就任
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大統領はターマン・シャンムガラトナム氏:2023年に選出された第9代大統領。元副首相
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汚職撲滅とガバナンス重視:公務員倫理・効率性を重視し、国際的にも高い評価を受ける
独立以降の歴史
独立から未来へ─小さな国の壮大な挑戦
資源も広さもなかった島国が、
世界を驚かせる都市国家へと成長するまでのストーリー。

「小さな国が、強いビジョンと戦略で未来を切り拓いてきた軌跡」
1965年、マレーシアからの分離独立という突然の試練に直面したシンガポール。人口は200万人にも満たず、土地も資源も産業もない、極めて厳しい出発点でした。
しかし初代首相リー・クアンユー氏のリーダーシップのもと、徹底した国家建設が進められ、教育、法制度、経済基盤を着実に整備しながら驚異的な成長を遂げます。
その後、2代目ゴー・チョクトン首相の時代にはアジア通貨危機やSARSなどの逆風にもかかわらず、安定と信頼を重んじた政策で堅実な発展を継続。
2004年からは3代目リー・シェンロン首相が新たなステージを切り拓き、デジタル化や都市計画、グローバル戦略を通じて“世界に通用する都市国家”への道を歩みました。
そして2024年、新たに就任した4代目ローレンス・ウォン首相は、「フォワード・シンガポール」という国民参加型ビジョンを掲げ、次世代の社会課題に正面から向き合おうとしています。
シンガポールの歴史は、過去に学び、今を築き、未来をつくる歩みそのものです。
1965-1989
(第一世代)
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1959年、リー・クアンユー氏が自治政府の初代首相に就任。1963年、シンガポールはマレーシアに参加し統合されるが、政治的・経済的な対立の末、1965年8月9日にマレーシアから分離・独立。シンガポール共和国として新たな国家の道を歩み始める。
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独立当初、人口は200万人に満たず、一人当たりGDPはわずかUS$500。失業率も10%を超え、天然資源も土地も乏しく、水もマレーシアに依存していた。
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それでもリー・クアンユー政権は輸出型工業化を推進し、外国資本を誘致。製造業と港湾、金融、観光などを柱に、年平均8~10%という高い経済成長を遂げた。
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1990年、首相退任時には人口は約300万人へと増加し、一人当たりGDPはUS$11,861、失業率は2%台にまで改善。現代シンガポールの礎が築かれた。
1990-2003
(第二世代)
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1990年、初代首相リー・クアンユー氏からのバトンを受け継ぎ、2代目首相としてゴー・チョクトン氏が就任。より包容力あるリーダーシップのもと、シンガポールは新たな時代に入った。
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この時代、アジア通貨危機(1998年)、ITバブル崩壊(2001年)、そしてSARS(2003年)といった数々の危機に直面したが、着実に経済成長を維持した。
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政府は製造業に加えて、ハイテク・バイオ・IT産業などへの投資を本格化。教育改革や知識経済への転換を図る戦略も展開された。
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2004年には人口が416万人に達し、一人当たりGDPはUS$27,608まで上昇。危機を乗り越えつつ、次世代に向けた土台を築いた時代だった。
2004-2024
(第三世代)
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2004年にリー・シェンロン首相が第3代首相として就任。初代リー・クアンユー首相の息子であり、経済・人材・都市国家としての競争力強化に注力。
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2008年の世界金融危機、2020〜21年のコロナ禍を乗り越え、経済の安定と社会の回復力を高める国家運営を展開。
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スマートネーション構想やSkillsFuture政策により、デジタル化と人材開発を国家戦略として加速。
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都市全体をラボとするグリーン戦略・脱炭素都市づくりを推進し、国際的なサステナビリティモデルとして注目を集める。
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2024年時点での人口は約604万人、一人当たりGDPはUS$87,885。小国ながら世界有数の豊かで先進的な都市国家に。
2024-
(第四世代)
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2024年5月、リー・シェンロン首相の後任としてローレンス・ウォン首相が第4代首相に就任。パンデミック時の財務相としてのリーダーシップが評価され、国民の信頼を得る。
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「フォワード・シンガポール(Forward SG)」を国家の方向性として提示。20万人以上の市民の声を反映し、より公正で包摂的な社会の実現を目指す国家戦略。
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気候変動・高齢化・社会分断といった複雑な課題に対応するため、社会保障改革、労働制度の見直し、環境政策の強化などを開始。
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2024年大統領選ではターマン・シャンムガラトナム氏が大統領に選出。多様性を体現する国家リーダーシップ体制が発足。
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第四世代(4G)リーダーシップチームとして、若手閣僚が政策立案の前面に。教育、医療、住宅、気候対応など、未来世代に向けた改革が加速中。
散策
まちに出よう。シンガポールを歩いて発見する
街を歩き、電車に乗り、人と出会う。
地図とルートを手に、自分だけのシンガポールを探しに行こう。

「歩いて感じる、もうひとつのシンガポール。」
シンガポールは、歩いてこそ面白いまち。多彩な文化、美しい街並み、そしてどこまでも整った都市機能が、街歩きの楽しさを引き立ててくれます。
このセクションでは、自由時間に街を楽しめるように、テーマ別のおすすめルートを3つご紹介します。たとえば、マリーナ湾を一望する「王道の絶景ルート」、多文化エリアを巡る「異文化まち歩きルート」、セントーサ島で楽しむ「アクティブ体験ルート」など、滞在時間や関心に合わせて選べます。
あわせて、主要エリアをまとめたマップや、街の雰囲気を感じられるフォトギャラリーも掲載しています。ちょっと歩いてみたい、そんなときにぴったりの情報を揃えました。
気の向くままに街を歩くこと。それが、ガイドブックには載っていないシンガポールの魅力に出会う第一歩かもしれません。
① 写真で発見!行ってみたい場所をクリックしよう
② この場所、どこにある?地図でチェック!
③ どこを歩く?おすすめルートを参考にしよう
サンプルルート1:
マリーナベイサンズとガーデンズバイザベイを満喫するルート(3ー6時間)
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ベイフロントMRT駅からスタート
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まずはマリーナベイサンズのモールを楽しみましょう。世界の高級ブランドショップが揃っていますし、オシャレなカフェやレストランも多数あります。
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モールの外にはマリーナに浮かぶ球体のアップルショップとルイ・ヴィトンショップがあります。写真スポットです。
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その後、マリーナベイサンズの56階に位置するスカイパーク展望台に上がり、絶景を楽しみましょう。
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展望台のあとはアートサイエンスミュージアムで最新の展示会やデジタルアートを体験するのはいかがでしょう。フューチャーワールドというチームラボの作品を体験できます。
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そしてサンズからの橋を渡り、ガーデンズバイザベイを楽しみましょう。フラワードームやクラウドフォレストなどの植物園もお勧めです。
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余力があればマリーナバラージュに立ち寄り、その後ガーデンズバイザベイMRT駅で終了です。
サンプルルート2:
チャイナタウン、リトルインディア、アラブストリートの異文化体験ルート
(3ー4時間)
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チャイナタウンMRT駅からスタート
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駅前のパゴダストリートを散策。雑貨屋さんや普段見ることのない不思議なものをたくさん売っています。
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佛牙寺龍牙院やホーカーや公団など、ローカルの中華系の人たちの生活が垣間見れます。中華系のお食事を楽しみましょう。
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その後、チャイナタウンMRT駅から同じ線のリトルインディアMRT駅へ移動。
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リトルインディアMRT駅前から、テッカセンターや通りのショップを見ながら歩きましょう。途中、スリ・ヴィーラマカリアマン寺院もあります。インド料理を楽しむのも良いでしょう。
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そしてムスタファセンターに辿り着きます。ローカルインド系の人たち、そして南アジアからの労働者にも大人気のモールです。
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最後はアラブストリートです。リトルインディアから徒歩15分くらいで着きます。アラブストリートではサルタン・モスクや色々なショップを散策。小物を売っているミニ・原宿のようなハジレーンも必ず立ち寄りましょう。最後はブギスMRT駅で終了です。
サンプルルート3:
セントーサでスリル満点のアクティブ体験ルート(ユニバーサルスタジオ以外)
(3ー6時間)
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ハーバーフロントMRT駅からスタート
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セントーサ島へはハーバーフロント駅の上にあるセントーサエクスプレスというモノレールが便利。もしくはケーブルカーに乗るために、ハーバーフロント駅から20ー30分の丘登りをして、マウントフェーバーに行っても良し。ケーブルカーからの眺めは絶景。
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セントーサエクスプレスの場合はビーチ駅へ。ケーブルカーの場合は、インビア・ルックアウト駅へ。シロソビーチ方面に歩きましょう。
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スカイラインリュージュでは丘の上から600メートルを小型ソリで滑り降りる体験ができます。
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アイフライシンガポールでは屋内スカイダイビング体験。インストラクターが丁寧に教えてくれます。
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スカイパークセントーサでは高さ45メートルから放たれるジャイアントスウィングを体験できます。
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そしてメガアドベンチャーパークでは450メートルのジップラインを始め、スリル満点のアクティビティがあります。
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その後、ビーチハウスのバーで食事をし、リラックスするのも良いでしょう。もし夜の7時や8時まで残れるのであれば、ウィングスオブタイムという水と光のショーを見ることもお勧めです。
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帰りも、セントーサエクスプレスかケーブルカーでハーバーフロントMRT駅まで戻りましょう。